結核を知ろう

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ページID1033462  更新日 2024年12月5日

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結核は、結核菌を吸い込むことで起こる感染症

結核は結核菌を吸い込むことにより感染し、発病する感染症です。どこかで結核菌を吸い込み、その結核菌が肺の中で増殖をしたことにより発病するのです。

結核は「セキ、タン、だるさ、微熱」などの風邪に似た症状で始まります。

症状が進むとタンの中に結核菌が出てきます。結核菌はそのような患者が、セキやくしゃみでまき散らすしぶきの中に入っています。

このしぶきは、目に見えないとても小さなもので、セキの場合は1.5m、くしゃみで3.5mほど飛び散るといわれています。これを飛沫感染といいます。

また、しぶきの水分が蒸発すると結核菌はほとんど裸の状態(飛沫核)になり、軽いので長時間空気中に漂っています。これを飛沫核感染(空気感染)といいます。

このようにして、結核は人から人に移っていきます。

「感染=発病」ではない

吸い込まれた結核菌が肺の中で増殖を始めても、それが発病につながるとは限りません。

健康な人であれば、結核菌は体の持っている抵抗力で押さえつけられてしまいます。結核菌を吸い込んでも発病するのは10人に2人程度といわれています。

2週間以上長引くセキ、体重減少、タンが出る、長引く倦怠感(体がだるい)、長引く微熱、胸痛などの症状が見られる場合には、医療機関で検査を受けた方がよいでしょう。

結核は感染から発病するまでの期間により、2つの種類に分けることが出来ます。

まず、初感染発病と呼ばれるもの。これは、感染してから半年から2年程度という早い時期に結核を発病するものです。

初感染発病は大量の菌を吸い込んだときや感染した人の抵抗力が弱いときにみられ、子どもや若い人に起こります。

次に、既感染発病と呼ばれるもの。これは、昔結核に感染し、その時は発病しなかったもので、結核菌が肺のどこかでじっと眠っていて、何十年も経って、老化や糖尿病、大手術などで体力が衰えたときに眠っていた結核菌が再び活動を始めて発病するというものです。これは高齢者に多くみられます。

結核の大部分は「肺結核」ですが、結核菌が、気道や消化管、リンパ流、血液などを介して体中に運ばれ、肺以外の臓器で発病する場合があります。

肺以外の臓器で発病した結核を「肺外結核」と呼んでいます。

接触者健診について

結核を発病していると診断され、タンの中に結核菌が出るほど病状が進んでいた場合、他の人に結核をうつさないように「結核病棟」を持った病院に入院して集中的に治療を受ける必要があります。

結核の薬を飲み始めると、セキの減少とともにタンの中の結核菌の量も少なくなり。他の人に結核をうつすおそれはなくなっていきます。

また、入院するまでの間に周りの人に結核をうつしていたかもしれません。結核をうつす可能性が高いのは結核と診断される前、結核の薬を飲む前です。

セキが出始めたころに結核を発病した人と話す機会が多かった人は結核に感染している可能性があります。

特にBCGを受けていない小さなお子さんや気になる症状のある方は、早期の検診が必要です。

検診の内容

結核を発病した人と接触のあった方については、保健所で感染の危険の度合いによって、健診の必要性や、内容を検討します。心配な方はまず保健所に相談してみましょう。

検査の種類

接触者健診として行われる主な検査の種類は以下のとおりです。

ツベルクリン反応検査

結核に感染しているかどうかをみる検査です。ツベルクリン液を接種して、接種部位の48時間後の発赤の大きさと以前BCGを受けたかどうかで感染の有無を判定します。

胸部X線撮影

結核を発病しているかどうかをみる検査です。肺のX線写真を撮って調べます。

喀痰検査

タンの中にどのくらい結核菌がいるのかを確認する検査です。

IGRA検査

体内に結核菌が存在しているかを調べる検査で、血液を採取して調べます。患者さんとの最終接触から8週間以上経過してから行います。

結核の感染が疑われたら

IGRA検査やツベルクリン反応検査の結果、感染が疑われたら、抗結核薬を飲むことで、結核の発病を予防することができます。

これは予防のための服薬なので、生活やその他の制約はありません。

保健師が相談を受けます

感染症法により、患者を結核と診断した医師は保健所に届出を行うことになっています。保健所はこの届出に基づいて、保健師が結核を発病した人を訪問して様々な相談をお受けする体制を整えています。また、結核を発病した人と接触のあった人たちからの相談もお受けしています。

結核に関するあらゆる相談窓口として保健所をご利用ください。

医療費の公費負担

結核の治療を安心して受けていただくために、感染症法により医療費の一部公費負担を行う制度があります。

所定の申請を保健所に行い、申請が承認されると公費負担を受けるために必要な「患者票」が発行され、制度を利用することが出来ます。

手続きの方法、公費負担の詳細などについては保健所にお問合せください。

A 入院勧告、措置を受けた患者の方の医療(入院治療)(感染症法第37条)

対象 他者に結核を感染させる可能性のある方
費用負担 医療保険各法で給付された残りの額について、感染症法に基づき公費により負担します。ただし、一定範囲の世帯員の前年分の所得税額を合算した額(年額)が147万円を超える場合は、2万円を限度として一部負担をいただきます。
治療が受けられる医療機関

富士市立中央病院・静岡県立総合病院・市立島田市民病院

天竜病院・聖隷三方原病院

申請に必要な書類
  • 感染症入院医療費公費負担申請書
  • 患者本人を含む世帯全員の方の住民票の原本
  • 本人及びその配偶者,本人と生計を一にする直系血族及び兄弟姉妹の方の前年分の所得を証明する書類
その他 入院していても、上記の対象に該当しない方は37条の対象となりません。ただし、37条の2の対象になる場合がありますので医療機関又は保健所にご相談ください。

B 一般の結核患者の方の医療(通院治療)(感染症法第37条の2)

対象 肺結核又は肺外結核に羅患し治療が必要とされる者
費用負担 医療保険各法で給付された額の残りの額について、95%を感染症法に基づき公費により負担します。(5%は自己負担です。)
治療が受けられる医療機関 感染症法第38条第2項に基づく結核指定医療機関(詳細は保健所にお問い合わせください)
申請に必要な書類
  • 結核医療費公費負担申請書と診断書
  • 胸部X線直接撮影写真等(申請前3か月以内に撮影されたもの。必要な場合CT等の追加提出をお願いする場合があります)
その他 保健所が申請を受け付けた日を始期としますので、結核と診断された場合は住所地を管轄する保健所に至急申請をしてください。(通常は診断された医師が申請に必要な診断書を作成するなど相談にのっていただけます。)

基本は6~9ヶ月間の服薬

結核を治療するための代表的な薬は、ヒドラジド(INH)、リファンピシン(RFP)、エタンブトール(EB)、ストレプトマイシン(SM)、ピラジナミド(PZA)です。初めて治療を受ける方なら、複数の薬を6~9ヶ月のみ続ければ、ほとんど再発することのないほど完全に治せます。ただし、糖尿病などの合併症がある場合や再治療の場合は、治療期間が9ヶ月を超える場合もあります。

また、結核の薬は長期間服用する為、副作用が現れることがあります。薬を服用し始めるときに医師・薬剤師・看護師などから薬についての説明がありますので、心配なことがある場合はこのときにお尋ねください。副作用と思われる症状が出た場合には速やかに医師に相談してください。

薬の主な副作用

薬名 副作用
ヒドラジド(INH) 指先のしびれ、食欲不振、肝障害
リファンピシン(RFP) 肝障害、胃腸障害、アレルギー症状(発疹・かゆみ)
エタンブトール(EB) 視力の低下、下肢のしびれ、視野狭窄
ストレプトマイシン(SM) めまい、耳鳴り、難聴
ピラジナミド(PZA) 肝障害(吐き気、食欲不振、黄疸)、関節痛

この他の副作用が出る場合もありますので、心配な場合には速やかに医師に相談してください。

自分勝手な服薬中止は病気を重くする

薬をのみ始めて1~2ヶ月すると、セキや微熱などの症状が治まってきます。ここで「治った」と早合点して自己判断で薬を止めると、症状がぶり返し、慌ててまた薬をのみ直しても薬が効かなくなっていることがあります。

症状がないのに毎日薬をのむというのは大変なことです。しかし、症状が消えたのは、薬によって結核菌が一時的に弱っているだけなのです。ですから、薬を止めると結核菌は再び増殖を始めます。しかもこのとき増殖する菌は薬の効かない耐性菌になっている可能性があります。

一度耐性菌をつくると、もう二度とその薬は使えません。最悪の場合、多剤耐性結核となってしまい、治療に何年もかかってしまうこともあります。医師から「結核は治りました。薬をやめましょう」と言われるまでは必ず薬は飲みつづけてください。

大人の結核予防

常に自身の健康に気を配り、健康な体を保つことが、結核に限らず病気を防ぐ基本です。

健康な体を保ち、結核の感染や発病を防ぐには休養、栄養、運動がポイントです。

  • 十分な睡眠をとる
  • 過労に注意する
  • 規則正しい生活をする
  • バランスのとれた食事をする
  • 適度な運動をする

そして、年1回は健康診断を受けて、自分の体の状況を確認しておくことが重要です。また、体に異常があった場合には、早期に医療機関を受診しましょう。

乳児の結核予防

乳児は大人に比べて抵抗力が低いため、結核に感染・発病した場合重症化しやすい傾向があります。

このため、感染症法では市町村長に対して、管轄区域内の乳児へ「生後1歳に達するまでに1度」BCG接種を行うように定めています。

BCGとは結核を予防するための方法で、結核菌に感染する前に弱い結核菌を体内に入れて免疫をつけるものです。これにより発病を予防でき、万が一発病しても重症化しないという効果があり、その効果は15年以上続くといわれています。

乳児のBCG接種の日程・場所などについては、お住まいの市町村役場の保健衛生担当課に確認してみてください。

このページに関するお問い合わせ

富士健康福祉センター 医療健康課
〒416-0906 富士市本市場441-1
電話番号:0545-65-2156
ファクス番号:0545-65-2288
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