乱用薬物について

ツイッターでツイート
フェイスブックでシェア
ラインでシェア

ページID1025374  更新日 2023年1月11日

印刷大きな文字で印刷

イラスト:ダメ。ゼッタイ君

Q乱用薬物とはどのようなものをいうのですか?また、それらはどんな害があるのですか?

覚せい剤

写真:覚せい剤

一般的にアンフェタミン、メタンフェタミンの2種類をさします。主に静脈注射によって摂取され、一時的には気分が高揚し、自信が増し、疲労感がとれたように感じますが、効果が切れると激しい疲労感、憂鬱感に襲われます。
繰り返し使用するうちに、中枢神経に異常をきたし、幻覚や妄想におびやかされます。また頬がこけ、歯が抜け落ちるなど、身体的影響も大きく、大量に摂取すると死に至る場合もあります。

あへん・へロイン

写真:あへん

写真:ヘロイン

あへんは麻薬の原料で、へロインはあへんから作られます。へロインは心身への影響が非常に強いので、医学的な使用も禁止されています。
静脈注射によって摂取され、中枢神経を抑制し、落ちついた気分と多幸感を味わいます。しかし、乱用を中断すると、悪寒や嘔吐などの強烈な禁断症状に苦しみ、多量摂取によって呼吸困難、昏睡の後、死に至ります。

コカイン

写真:コカイン

粉末結晶状のものを主に鼻から直接吸引します。覚せい剤と同じように興奮作用があり、作用が迅速で強烈な分、毒性も強く、大量摂取の結果、けいれん、呼吸困難から死に至る事故も少なくありません。
特にアメリカでは、“クラック”と呼ばれる吸煙用コカインが大変な猛威を奮っており、世界的に大きな問題となっています。

大麻(マリファナ)

写真:大麻(マリファナ)

大麻草の葉を乾燥させたものを、吸煙によって摂取します。感覚が異常になり、わけのわからない興奮状態に陥ります。
無動機症候群といって、毎日ゴロゴロして何もやる気のない状態になることもあります。
乱用によって幻覚や妄想が現れ、精神に異常をきたします。また、生殖器に支障をきたし、不妊、染色体の異常が見られます。

LSD

写真:LSD

わずかな量でも異常感をきたす幻覚剤です。色彩感覚が変化し、幻聴が起こり、空間が歪んだり、すべての感覚・精神に異常をきたします。

MDMA

写真:MDMA

合成麻薬で、一般的にカラフルな色と様々なブランドのロゴやキャラクターが刻印された錠剤の形で密売されています。エクスタシーとも呼ばれ、覚せい剤と似た構造により興奮作用と幻覚作用を併せ持ち、視覚や聴覚を変化させ、不安や不眠に陥ります。

向精神薬

写真:向精神薬

向精神薬は、中枢神経に作用して精神の機能に影響を及ぼす薬で、その作用により、鎮静剤系と興奮剤系に大別されます。
具体的には睡眠薬や精神安定剤がこれにあたります。

シンナー

写真:シンナー

ビニール袋やびんに入れ、気化したものを吸入します。急激な酩酊状態となり、大量摂取で呼吸困難から死に至ります。
依存症も強く、情緒不安定、無気力、精神異常などを起こします。脳が縮む、手足がしびれ、視力障害の他、成長期の青少年にあっては、骨や筋肉の発育を阻害し、体重を激減させます。

常軌を逸した覚せい剤乱用者の暴行

薬物の乱用を、単に個人の問題としてとどめようとするほど、愚かな考えはありません。薬物乱用の弊害ほど、周囲に与える深刻な影響がほかにないからです。
その代表的な弊害の一つが暴力です。長い間薬物を乱用すると、知覚障害・情緒障害、幻覚や被害妄想が強くなり、家族に乱暴したり、常に凶器を持ち歩くなどの異常行動が目立つようになります。家族や周囲の人たちは、それらに振り回され恐怖と苦痛の毎日を強いられています。
さらに薬物乱用はさまざまな犯罪にも結び付いています。幻覚や妄想、フラッシュバック現象によって引き起こされる殺人、放火、監禁、傷害などの凶悪な事件や、薬代欲しさの窃盗があとをたちません。白昼新幹線の中で、薬物乱用者が刃物を振り回し、関係ない人を死に巻き込んだ事件は、日本でも記憶に新しいことです。

最後に残るものは

薬物乱用は、暴力ばかりでなく、経済的にも取り返しのつかない事態を招きます。乱用薬物の価格は異常に高く、しかも依存性を持つので次々にお金は吸い取られていきます。その結果、仕事を辞め、家財道具も一切売り払われ、膨大な借金に追い回されるのは必然です。行き着く先は、もはや家庭の崩壊、生活の破綻以外の何物でもなく、筆舌に尽くし難い悲劇しか残らないのです。

Q薬物中毒になるのは、あくまでも量の問題であって、度をこさなければ大丈夫なのではありませんか。薬物中毒に溺れるか否は、あくまでその人自身の意思の問題だと思います。自制心の強い人なら1~2回摂取したところで深みにはまることもないのでは。

A薬物乱用には甘い見通しこそが危険です。一度でも乱用すると、確実に強い依存性が生じ、やみつきになりコントロールが失われます。

量も回数も必然的に増える

薬物乱用の最も恐ろしい特徴は、何度でも繰り返して摂取したくなる“依存性”を持っていることです。一回ぐらいならと思っても、また使いたくなり、繰り返し使ううちに薬物の使い方のコントロールがきかなくなってしまうのです。
乱用を繰り返す人は、「快適を得るため」ではなく、いつまでもなおらない疲労感やイライラ、不安から逃れるため、つまり「不快感をなくすため」に薬物に頼らざるをえなくなります。そうして、薬物なしではいられなくなるのです。
さらに覚せい剤などいくつかの乱用薬物には、使用を繰り返しているうちに、それまでの量では効かなくなる“耐性”という性質があります。
一回だけと思って始めた人も、薬物の“依存性”と“耐性”によって使用する量や回数がどんどん増えていき、どうしようもない悪循環に陥ります。もはやそうなると自分の意思だけではやめることはできません。

恐ろしいフラッシュバック

薬物乱用の害は半永久的に続きます。乱用をやめ、治療によって普通の生活に戻ったようでも突然、幻覚・妄想などの精神異常が再燃することがあります。
これをフラッシュバック(再燃現象)といい、ストレスなどほんの小さなきっかけで起こってしまいます。
覚せい剤の乱用などでひとたび精神異常が生じると、治療によって表面上は回復しているようでも、精神異常が再発する下地が確実に残されているからなのです。

このページに関するお問い合わせ

健康福祉部生活衛生局薬事課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-2413
ファクス番号:054-221-2199
yakuji@pref.shizuoka.lg.jp