平成28年度静岡県技能マイスター認定者

宮大工　大塲　喜久司（おおば　きくじ）さん　有限会社大寶建設（森町）

大塲喜久司さんは、宮大工として通算49年技能の研鑽に努め、規矩術を活かした伝統工法の技能に優れ、これまで多数の寺社建築に携わってきたほか、伝統工法を取り入れた一般住宅も多く建築してきました。

小国神社の棟梁を長年務められたほか、多くの寺社新築修復工事に携わってきました。

県指定文化財の天宮（あまのみや）神社本殿屋根修復工事では、腐食した箇所だけを取り外して修復するためにミリ単位を調整する高度な技能を求められましたが、見事に復元させました。

こうした技能が評価され、平成27年に卓越した技能者を受賞。平成28年の秋には黄綬褒章を受章されました。

配管工　池谷　勝元（いけや　かつもと）さん　池谷配管工業有限会社（浜松市）

池谷勝元さんは、一貫して配管設備業界に従事し、卓越した配管技術により数多くの工具を考案施策したほか、作業効率と技能の向上に努めてきました。

湧水が多い砂地盤の現場で効率よく水を除去する簡易ウェルを考案し、同業他社にも提供することで、危険な湧水現場での作業の効率と安全性を飛躍的に高めることに貢献しました。

こうした技能が評価され、平成27年に卓越した技能者を受賞。平成28年の秋には黄綬褒章も受章されました。

日本料理調理人　桑原　成軒（くわばら　せいけん）さん　ホテル天坊（伊豆の国市）

桑原成軒さんは、長年にわたり日本料理の調理作業に従事し、懐石料理を研究して伊豆や駿河湾の特産物を用いた料理開発を追及しつつ、塩で作った「塩器」を開発して料理業界誌への掲載や地域料理講習会で調理技術を公開し、調理技能の向上に寄与しています。

こうした料理が評価され、平成27年には卓越した技能者を受賞いたしました。また、平成28年の秋には黄綬褒章も受章されています。

かわらぶき工　渥美　昌彦（あつみ　まさひこ）さん　大河瓦（掛川市）

渥美昌彦さんは、技能マイスター認定者の中でも最年少の認定者となります。

一般住宅と寺社の屋根工事を手掛けており、正確な原寸図面と施工技能を要する、今まで使われていた鬼瓦をあえてそのまま使用したり、寺院の屋根の谷部に瓦を施工し、板金の劣化と雨漏りを防止する工夫をしたりするなど、優れた技能を持っています。

平成23年に開催された第26回技能グランプリでは、その優れた技能を発揮して、見事優勝に輝きました。

※紹介文の内容は、平成29年3月時点のものです。