静岡県防犯まちづくり条例(犯罪の防止に配慮した住宅の普及等-指針)

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ページID2000516  更新日 2023年1月11日

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住宅の犯罪の防止に配慮した構造、設備等に関する指針

第1 通則

1 目的

この指針は、静岡県防犯まちづくり条例(平成16年静岡県条例第26号)第18条の規定に基づき、住宅について、犯罪の防止に配慮した構造、設備等及び共同住宅の管理対策に関する防犯上必要な方策を定め、防犯性の高い住宅を普及させることにより、居住者等の安全確保を図ることを目的とする。

2 基本的な考え方

(1) この指針は、住宅を建築しようとする者、住宅の設計者及び工事の施工者並びに住宅を所有し、又は管理する者(以下「住宅を建築しようとする者等」という。)に対し、防犯性の向上に係る企画・設計及び建築上配慮すべき事項等を示すものであり、何らかの義務を負わせ、又は規制を課すものではなく、あくまでも自発的な対策を促すものである。

(「住宅」とは、共同住宅及び一戸建て住宅(長屋を含む。)をいう。)

(2) この指針の運用に当たっては、関係法令等及び住宅を建築しようとする者等が定める建築計画上の制約等に配慮した上で関係者と協議して対応するものとし、対応が困難と判断されるものについては除外する。
(3) この指針は、社会状況の変化、技術の進展等を踏まえ、必要に応じて見直すものとする。

第2 配慮すべき事項

1 共同住宅

(1) 共用部分
ア 共用出入口
  • (ア) 共用玄関の配置
    共用玄関は、道路及びこれに準ずる通路(以下「道路等」という。)から見通しが確保された位置に配置する。道路等からの見通しが確保されない場合には、防犯カメラの設置等の見通しを補完する対策を実施する。
  • (イ) 共用玄関扉
    共用玄関には玄関扉を設置することが望ましい。また、玄関扉を設置する場合には、扉の内外を相互に見通せる構造とするとともに、オートロックシステム(インターホンと連動する電気錠を備えた玄関扉による自動施錠システムをいう。以下同じ。)を導入することが望ましい。
  • (ウ) 共用玄関以外の共用出入口
    共用玄関以外の共用出入口は、道路等からの見通しが確保された位置に設置し、扉は自動施錠機能つきのものとする。道路等からの見通しが確保されない場合には、防犯カメラの設置等の見通しを補完する対策を実施する。
  • (エ) 共用出入口の照明設備
    • 共用玄関の照明設備は、その内側の床面において概ね50ルクス以上、その外側の床面において概ね20ルクス以上の平均水平面照度をそれぞれ確保することができるものとする。
    • 共用玄関以外の共用出入口の照明設備は、床面において概ね20ルクス以上の平均水平面照度を確保することができるものとする。
イ 管理人室

管理人室を置く場合には、管理人室は共用玄関、共用メールコーナー(宅配ボックスを含む。以下同じ。)及びエレベーターホールを見通せる構造とし、又はこれらに近接した位置に配置する。

ウ 共用メールコーナー
  • (ア) 共用メールコーナーの配置
    共用メールコーナーは、共用玄関、エレベーターホール又は管理人室等からの見通しが確保された位置に配置する。見通しが確保されない場合には、防犯カメラの設置等の見通しを補完する対策を実施する。
  • (イ) 共用メールコーナーの照明設備
    共用メールコーナーの照明設備は、床面において概ね50ルクス以上の平均水平面照度を確保することができるものとする。
  • (ウ) 郵便受箱
    郵便受箱は、施錠可能なものとする。また、オートロックシステムを導入する場合には、壁貫通型等とすることが望ましい。
エ エレベーターホール
  • (ア) エレベーターホールの配置
    共用玄関の存する階のエレベーターホールは、共用玄関又は管理人室等から見通しが確保された位置に配置する。見通しが確保されない場合には、防犯カメラの設置等の見通しを補完する対策を実施する。
  • (イ) エレベーターホールの照明設備
    • 共用玄関の存する階のエレベーターホールの照明設備は、床面において概ね50ルクス以上の平均水平面照度を確保することができるものとする。
    • その他の階のエレベーターホールの照明設備は、床面において概ね20ルクス以上の平均水平面照度を確保することができるものとする。
オ エレベーター
  • (ア) エレベーターの防犯カメラ・エレベーターのかご内には、防犯カメラ等を設置することが望ましい。
  • (イ) エレベーターの連絡及び警報装置
    エレベーターは、非常時において、押しボタン、インターホン等によりかご内から外部に連絡又は吹鳴する装置が設置されたものとする。
  • (ウ) エレベーターの扉
    エレベーターのかご及び昇降路の出入口の扉は、エレベーターホールからかご内を見通せる構造の窓が設置されたものとする。
  • (エ) エレベーターの照明設備
    エレベーターのかご内の照明設備は、床面において概ね50ルクス以上の平均水平面照度を確保することができるものとする。
カ 共用廊下・共用階段
  • (ア) 共用廊下・共用階段の構造等
    • 共用廊下及び共用階段は、それぞれの各部分、エレベーターホール等からの見通しが確保され、死角を有しない配置又は構造とすることが望ましい。
    • 共用廊下及び共用階段は、各住戸のバルコニー等に近接する部分については、当該バルコニー等に侵入しにくい構造とすることが望ましい。
    • 共用階段のうち屋外に設置されているものについては、住棟外部からの見通しが確保されたものとすることが望ましく、屋内に設置されているものについては、各階において階段室が共用廊下等に常時開放されたものとすることが望ましい。
  • (イ) 共用廊下・共用階段の照明設備
    共用廊下及び共用階段の照明設備は、床面において概ね20ルクス以上の平均水平面照度が確保することができるものとする。
キ 自転車置場・オートバイ置場
  • (ア) 自転車置場・オートバイ置場の配置
    • 自転車置場・オートバイ置場は、道路等、共用玄関又は居室の窓等からの見通しが確保された位置に配置する。
    • 屋内に設置する場合には、構造上支障のない限り、周囲に外部から自転車置場等の内部を見通すことが可能となる開口部を確保する。
    • 地下階等構造上周囲からの見通しが困難な場合には、防犯カメラの設置等の見通しを補完する対策を実施する。
  • (イ) 自転車置場・オートバイ置場の盗難防止措置
    自転車置場・オートバイ置場は、チェーン用バーラック、サイクルラックの設置等自転車又はオートバイの盗難防止に有効な措置を講じたものとする。
  • (ウ) 自転車置場・オートバイ置場の照明設備
    自転車置場・オートバイ置場の照明設備は、床面において概ね3ルクス以上の平均水平面照度を確保することができるものとする。
ク 駐車場
  • (ア) 駐車場の配置
    • 駐車場は、道路等、共用玄関又は居室の窓等からの見通しが確保された位置に配置する。
    • 屋内に配置する場合には、構造上支障がない限り、周囲に開口部を確保する。
    • 地下階等構造上周囲からの見通しの確保が困難な場合には、防犯カメラの設置等の見通しを補完する対策を実施する。
  • (イ) 駐車場の照明設備
    駐車場の照明設備は、床面において概ね3ルクス以上の平均水平面照度を確保することができるものとする。
ケ 通路
  • (ア) 通路の配置
    通路は、道路等、共用玄関又は居室の窓等からの見通しが確保された位置に配置する。また、周辺環境、夜間等の時間帯による利用状況及び管理体制を踏まえて、道路等、共用玄関、及び屋外駐車場等を結ぶ特定の通路に動線が集中するように配置することが望ましい。
  • (イ) 通路の照明設備
    通路の照明設備は、路面において概ね3ルクス以上の平均水平面照度を確保することができるものとする。
コ 児童遊園、広場又は緑地等
  • (ア) 児童遊園、広場又は緑地等の配置
    児童遊園、広場又は緑地等は、道路等、共用玄関又は居室の窓等からの見通しが確保された位置に配置する。
  • (イ) 児童遊園、広場又は緑地等の照明設備
    児童遊園、広場又は緑地等の照明設備は、地面において概ね3ルクス以上の平均水平面照度を確保することができるものとする。
  • (ウ) 塀、柵又は垣等
    塀、柵又は垣等は、領域性を明示するよう配置されたものとすることが望ましい。また、塀、柵又は垣等は、周囲からの死角の原因及び住戸の窓等への侵入の足場とならない位置、構造、高さ等とする。
サ 防犯カメラ
  • (ア) 防犯カメラの配置等
    • 防犯カメラを設置する場合には、見通しの補完、犯意の抑制等の観点から有効な位置、台数を検討し適切に配置する。
    • 防犯カメラを設置する部分の照明設備は、各項目に掲げるもののほか、当該防犯カメラが有効に機能するために必要となる照度を確保したものとする。
  • (イ) 個人のプライバシー保護に関する措置
    防犯カメラを設置する場合には、個人のプライバシーの保護等に配慮し、防犯カメラの設置及び利用並びに画像の取扱いに関し適切な措置を講ずるものとする。
シ その他
  • (ア) 屋上
    屋上は、居住者に常時開放する場合を除き、出入口等に施錠可能な扉を設置する。また、屋上がバルコニー等に接近しやすい場合には、避難上支障のない範囲において、面格子又は柵の設置等侵入防止に有効な措置を講ずるものとする。
  • (イ) 配管、雨樋、外壁等
    配管、雨樋、外壁等は、上階への足掛かりにならないものとする。
(2) 専用部分
ア 住戸の玄関扉
  • (ア) 住戸の玄関扉等の材質・構造
    住戸の玄関扉等は、その材質がスチール製等で破壊が困難なものとし、デッドボルト(かんぬき)が外部から見えない構造とする。また、扉にこじ開け防止に有効な措置を講ずるものとする。
    (玄関扉のこじ開け防止に有効な措置、例えば、通称「ガードプレート」の設置がある。)
  • (イ) 玄関扉の錠
    住戸の玄関扉の錠は、破壊が困難なものとし、ピッキング等による解錠が困難な構造、又は解錠を困難にする措置が講じられたものとする。また、補助錠を設置する。
    (破壊及びピッキング等が困難な構造を有する錠例えば、財団法人全国防犯協会連合会が実施している「優良住宅用開き扉型式認定制度」により認定された錠(通称CP錠)及び平成12年7月1日から施行された、シリンダー(鍵穴周辺の円筒部分)のみを対象とした耐ピッキング性能だけを評価するCP-C認定制度により認定されたシリンダーを装着した錠がある。また、サムターン回し対策として、サムターンカバーを装着することが挙げられる。)
  • (ウ) 玄関扉のドアスコープ・ドアチェーン等
    住戸の玄関扉は、外部の様子を見通すことが可能なドアスコープ等を設置したものとするとともに、錠の機能を補完するドアチェーン等を設置したものとする。
イ インターホン
  • (ア) 住戸玄関外側との通話等
    住戸内には、住戸玄関の外側との間の通話が可能な機能等を有するインターホン又はドアホン等を設置することが望ましい。
  • (イ) 管理人室等との通話等
    インターホンは、管理人室を設置する場合にあっては、住戸内と管理人室との間で通話が可能な機能を有するものとすることが望ましい。また、オートロックシステムを導入する場合には、住戸内と共用玄関の外側との間で通話が可能な機能及び共用玄関扉の電気錠を住戸内から解錠する機能を有するものとすることが望ましい。
ウ 住戸の窓
  • (ア) 共用廊下に面する住戸の窓等
    共用廊下に面する住戸の窓(侵入の恐れのない小窓及び避難を考慮する必要のある窓を除く。以下同じ。)及び接地階の住戸の窓のうちバルコニー等に面するもの以外のものには、面格子の設置等侵入の防止に有効な措置を講ずるものとする。
  • (イ) バルコニー等に面する窓
    バルコニー等に面する窓のうち侵入が予想される階に存するものには、鍵付きクレセント、補助錠の設置等侵入防止に有効な措置を講ずるものとし、避難計画等に支障のない範囲において、窓ガラスの材質は破壊が困難なものであることが望ましい。
    (破壊が困難な窓ガラス、例えば、合わせガラスがある。)
エ バルコニー
  • (ア) バルコニーの配置
    バルコニーは、縦樋、階段の手摺り等を利用した侵入が困難な位置に配置する。やむを得ず縦樋又は手摺り等がバルコニーに接近する場合には、面格子の設置等バルコニーへの侵入の防止に有効な措置を講ずるものとする。
  • (イ) バルコニーの手摺り等
    バルコニーの手摺り等は、プライバシーの確保、転落防止及び構造上支障のない範囲において、周囲の道路等、共用廊下、居室の窓等から見通しが確保された構造とすることが望ましい。
  • (ウ) 接地階のバルコニー
    接地階の住戸のバルコニーの外側の住戸周りは、住戸のプライバシーの確保に配慮しつつ、周囲からの見通しを確保したものとすることが望ましい。なお、専用庭を配置する場合には、その周囲に設置する柵又は垣は、侵入の防止に有効な構造とする。

2 一戸建住宅

(1) 玄関扉
ア 玄関扉の材質・構造

一戸建住宅の玄関扉の材質は、破壊が困難なものとし、デッドボルト(かんぬき)が外部から見えない構造とする。また、扉にこじ開け防止に有効な措置を講ずるものとする。

(玄関扉のこじ開け防止に有効な措置、例えば、通称「ガードプレート」の設置がある。)

イ 玄関扉の錠

一戸建住宅の玄関扉の錠は、破壊が困難なものとし、かつ、ピッキング等による解錠が困難な構造、又は解錠を困難にする措置が講じられたものとする。また、補助錠を設置する。

(破壊及びピッキング等が困難な構造を有する錠例えば、財団法人全国防犯協会連合会が実施している「優良住宅用開き扉型式認定制度」により認定された錠(通称CP錠)及び平成12年7月1日から施行された、シリンダー(鍵穴周辺の円筒部分)のみを対象とした耐ピッキング性能だけを評価するCP-C認定制度により認定されたシリンダーを装着した錠がある。また、サムターン回し対策として、サムターンカバーを装着することが挙げられる。)

ウ 玄関扉のドアスコープ・ドアチェーン等

一戸建住宅の玄関扉は、外部の様子を見通すことが可能なドアスコープ等を設置したものとするとともに、錠の機能を補完するドアチェーン等を設置したものとする。

(2) インターホン

玄関の外側との間の通話が可能な機能等を有するインターホン又はドアホン等を設置することが望ましい。

(3) 窓等
ア 窓

窓(侵入の恐れのない小窓及び避難を考慮する必要がある窓を除く。以下同じ。)のうちバルコニー、庭等に面するもの以外のものには、面格子の設置等侵入の防止に有効な措置を講ずるものとする。

イ バルコニー等に面する窓

バルコニー、庭等に面する窓には、鍵付きクレセント、補助錠の設 置等侵入防止に有効な措置を講ずるものとし、避難計画等に支障のない範囲において、窓ガラスの材質は破壊が困難なものであることが望ましい。

(破壊が困難な窓ガラス、例えば、合わせガラスがある。)

(4) バルコニー
ア バルコニーの配置

バルコニーは、縦樋、階段の手摺り等を利用した侵入が困難な位置に配置する。やむを得ず、縦樋又は手摺り等がバルコニーに接近する場合は、面格子の設置等バルコニーへの侵入の防止に有効な措置を講ずるものとする。

イ バルコニーの手摺り等

バルコニーの手摺り等は、プライバシーの確保、転落防止及び構造上支障のない範囲において、周囲の道路等、居室の窓等から見通しが確保された構造とすることが望ましい。

第3 共同住宅の管理対策

共同住宅の居住者の安全を確保するための管理対策は、次のとおりとする。

1 設置物、設備等の整備及び維持管理

(1) 防犯設備の点検整備

オートロックシステム、インターホン、防犯カメラ(モニター、録画装置等を含む。)、防犯灯等の防犯設備の適正作動について定期的に点検整備する。

(2) 死角となる物の除去

共用廊下、共用玄関等に置かれた物置やロッカー等により、死角となる箇所が発生している場合は、これらの物を除去し、見通しを確保する。

(3) 植栽の樹種の選定及び位置の配慮等

植栽は、周囲からの見通しを確保し、又は侵入を企てる者がその身体を隠す恐れのない状態とするために、樹種の選定及び植栽の位置に配慮する。また、定期的な剪定又は伐採を行い、繁茂により死角となる箇所の発生を防止する。

(4) 屋外機器の適切な場所への設置

屋外に設置する機器は、侵入を企てる者の足場とならないように適切な場所に設置する。

(5) 防犯器具等の整備

破壊やピッキング等が困難な錠前、侵入警報、警戒装置、防犯ブザー等の防犯器具等の整備を促進する。

2 居住者等による自主的防犯体制の整備

(1) 管理組合等を中心とした自主的防犯活動の推進

居住者等は、共同住宅の管理組合等を中心とした自主的防犯活動を推進する。

(2) 管轄警察署との連携

居住者等は、管轄警察署との連携に努め、犯罪発生状況等の情報を有効に活用する。

このページに関するお問い合わせ

警察本部生活安全部生活安全企画課
〒420-8610 静岡県静岡市葵区追手町9番6号
電話番号:054-271-0110(代表)