海外からの“旬な”お便り/県民だより2023年1月号

静岡県では、お互いに助け合い、信頼関係を築き、国際的に存在感のある地域を目指す「地域外交」に取り組み、観光、経済、教育・文化など幅広い分野で交流を進めています。
海外駐在員や本県と交流のある国・地域の方からの旬な現地情報を、毎月お届けします。
コロナ禍で海外に行く機会が減った今、”旬な”お便りで世界に触れてみてください！

差出人

竹田 敏彦(たけだ としひこ)さん

県東南アジア駐在員事務所長 シンガポール在住(3年8か月)／浜松市浜北区出身

本年度は県とインドネシア・西ジャワ州との交流5周年にあたります。これまで経済、ジオパークや水道管理などの人材育成といったさまざまな分野で交流を行ってきました。今回は西ジャワ州政府の中でも特に静岡県とゆかりの深い人物である観光・文化局のプロモーション責任者、チャンドラウランさんにインタビューし、同州の魅力について聞きました。皆さまの旅行先候補にぜひ西ジャワ州を追加ください!

雄大な自然とグルメ インドネシア・西ジャワ州の魅力!

1.チャンドラウランさんと静岡県との関係を教えてください

観光・文化局に移動する前は、西ジャワ州の国際交流部門で静岡県との交流を担当していました。これまで静岡県には5回訪問しています。静岡には茶道体験、伊豆半島ジオパークの美しい景色、御殿場プレミアムアウトレットでのショッピング、美味しいうなぎなどたくさんの楽しい思い出があります。静岡県とは、現在も観光分野で相互の地域をPRするなど、素晴らしい関係を継続しています。

2.西ジャワ州について教えてください

西ジャワ州は、首都ジャカルタに隣接するインドネシア最大の自治体で、35,000万平方キロの土地に約5,000万の人々が暮らしています。熱帯性気候と恵みの雨により、全国でも有数の農業州です。また州内には、多くの工業団地があり、静岡県にゆかりのある企業にも進出いただいています。さらに州都バンドンは、バンドン工科大学やパジャジャラン大学を含むインドネシアのトップ大学が多数あることから、若者やスタートアップ企業が多い地域です。
観光面では、美しい山、森、ジャングル、海、ビーチ、滝、湖などさまざまな自然の資源があり、大きな可能性を持っています。また、舞踊、歌、詩など独自の文化を持つ魅力あふれる地域でもあります。ガムラン、アンクルンといった楽器、人形劇ワヤン・ゴレック、伝統武術プンチャック・シラットはユネスコ無形文化遺産として登録されています。

3.お薦めの観光地を教えてください。

私が好きな景勝地をいくつかご紹介しますね。
はじめにパテンガン湖です。湖の周りを散策したり、ボートを借りて湖の真ん中にある島まで冒険したり、スリリというサルを見たりすることもできます。西ジャワ州のプロモーションサイト用の撮影でこの湖を訪問した際に、湖のうえに虹が出ていたことが印象に残っています。バンドンからは車で2時間かかりますが、行く価値がありますよ。

次に紹介したいのは、タンクバン・プラフ山。バンドンから車で北に1時間30分の距離にある火山です。写真を見ていただけばと思いますが、雄大な火口からは煙が立ち上っています。近づくと強い硫黄の香りがしますよ。こちらでは、売店で買ったお菓子、焼き芋、焼きトウモロコシを食べたり、ハイキングしたりして楽しめます。

そしてチカソの滝です。見ていただけばわかるとおり絶景の滝です。ここでは、ボートをレンタルして写真を撮ったり、足を水につけたりして楽しむことができますよ。西ジャワ州は広いため、こちらまでは少し遠く、車で6時間程度かかりますが、ぜひ訪問していただきたいですね。

4.お薦めの地元グルメを紹介してください。

西ジャワ州には、スンダ料理と呼ばれる有名な地元料理があります。その中で私が好きな料理を案内しますね。
はじめに、西ジャワ州のチレボンというところで生まれた、スパイシーなカレー風味の牛肉スープです。牛の内臓をココナッツミルクやニンニク、唐辛子、ニラ、チリと一緒にカレー風味で煮込んだものです。こちらは、やはり発祥地のチレボンで食べると最高ですね。私もチレボンに行く際は、いつも現地の有名レストランに寄って、この料理を食べるようにしています。

次に牛串焼き肉のサテ・マランギです。インドネシアに限らず、東南アジア各国では、サテと呼ばれる串焼き肉がよく食べられています。しかし、この料理は他のサテとは違い、焼く前に甘い醤油、コリアンダー、ターメリックなどのスパイスを混ぜたソースに漬けておきます。ご飯の友として最高の料理です。おかずに牛串焼き肉があると、いつも以上にご飯がすすんでしまうのが悩みです。

さらにご紹介するのは、スパイス風味のココナッツライスです。お米は、ココナッツミルク、チキンスープ、レモングラスなどで味付けます。家族や親せきが集まる特別な機会から、昼食まで幅広い機会に食べられています。私たちのオフィスでは、金曜日に同僚と一緒にココナッツライスを作って食べるのが決まりになっています。

最後はやはりデザートですね。こちらは、西ジャワ州があるジャワ島の伝統的なお菓子です。ジャワ島の郷土菓子に中国由来の蒸しケーキなどが混ざっています。このお菓子は、近くのマーケットで買って食べるのが一番です。色鮮やかなお菓子は見ているだけでも食欲をそそります。

5.チャンドラウランさんの理想的な週末の過ごし方を教えてください。

私のおすすめは、朝早く起きて、バンドン市の自宅からチュクルまでドライブし、美しい日の出を見ることです。こちらではキャンプもできますので、前日から家族や友人とたき火を囲んでゆっくりした時間を過ごしてから、日の出を楽しむのもいいですね。

6.静岡県の皆さんへメッセージをお願いします

コロナによる渡航規制が解除され、私たちは直接対面でお会いできる状況になりました。ジャカルタから州都バンドンまで車・電車で約3時間、西ジャワ州は自然、都市、文化、グルメなどさまざまな魅力にあふれた地域です。
静岡県からたくさんの方に西ジャワ州を訪問していただければと思います。西ジャワ州でお会いしましょう!

インドネシア・西ジャワ州との人材育成・経済分野の交流5周年

西ジャワ州は、首都ジャカルタに隣接するインドネシア最大の自治体で、平成29年11月に西ジャワ州知事が来静し、本県との間で「人材育成及び経済分野での協力推進に係る覚書」に調印しました。これまで経済、ジオパークや水道管理などさまざまな分野で交流を行ってきました。

出野副知事と西ジャワ州知事が会談

令和4年11月に、出野副知事を団長とする訪問団が西ジャワ州を訪問し、引き続き同州との交流を推進することで合意しました。また、同年11月に発生した西ジャワ州を震源とする地震被害を受け、カミル西ジャワ州知事に川勝知事からのお見舞状を手渡しました。会談でカミル知事から、住民への地震教育などの災害対策について、静岡県から学びたいとの要望を受け、研修などを検討していく予定です。県は、今後も西ジャワ州とさらなる交流の深化を図っていきます。