デング熱の国内感染症例が発生しています。
デング熱は蚊がウイルスを媒介する感染症であり、熱帯・亜熱帯地域を中心に流行する感染症です。戦後日本国内での感染例はありませんでしたが、平成26年8月下旬から海外渡航歴のない方の感染例が約70年ぶりに確認されています。
その後、静岡県内においても、9月8日に富士保健所管内在住者1名、同17日に熱海保健所管内在住者1名のデング熱の感染症例が確認されています。
番号 |
年代、性別 |
居住地 |
届出医療機関所在地 |
発症日 |
推定感染場所 |
公表日 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 |
50歳代、男性 | 富士保健所管内 | 富士保健所管内 | 9月5日 | 代々木公園 | 9月8日 |
2 |
20歳代、男性 | 熱海保健所管内 | 熱海保健所管内 | 9月10日 | 調査中 | 9月18日 |
デング熱とは
病原体
原因となる病原体は「デングウイルス」です。
現時点では感染を予防するワクチンはありません。
感染経路
媒介蚊は「ネッタイシマカ」と「ヒトスジシマカ」です。日本国内に「ネッタイシマカ」はいませんが、ヤブカの一種である「ヒトスジシマカ」は青森県以南のほとんどの地域に生息しています。
ヒト-蚊-ヒトの感染経路をとり、ヒトからヒトへの感染はありません。感染者を刺した蚊がウイルスを保有することがありますが、蚊から蚊へウイルスが媒介されることはありません。
また、国内では原因ウイルスを保有する蚊がいたとしても、冬を越えて生息することはなく、卵を介して次世代にウイルスが伝わることも報告されたことがありませんので、今回の事案は、限定された場所での一過性の発生と考えられます。
症状
感染しても発症するのは10~50%程度と言われており、発症する場合は、3~7日の潜伏期間を経て、発熱、発疹、頭痛等を呈します。
通常、発症後2~7日で解熱し、予後は比較的良好な感染症ですが、発症者の1~5%が出血傾向やショック症状を呈し、重症となることがあります。
治療方法
患者に対して有効な抗ウイルス薬や治療法は確立していません。水分補給や解熱剤の投与といった対症療法を行うこととなります。
過去5年のデング熱の国内発生状況
年 |
全国 |
静岡県 |
---|---|---|
平成21年 |
92 |
3 |
平成22年 |
243 |
4 |
平成23年 |
104 |
5 |
平成24年 |
220 |
6 |
平成25年 |
249 |
4 |
※すべて海外感染症例
感染場所 |
全国 |
静岡県 |
---|---|---|
海外感染症例(9月7日現在) |
172 |
2 |
国内感染症例(9月18日現在) |
133 |
2 |
県民の皆様へ
海外渡航歴のないデング熱の患者が多数発生していますが、いずれも東京都内の公園等での蚊による感染と推定され、これまで静岡県内で蚊に刺されたことによる感染は確認されていません。
現状では、予防のためのワクチンはないことから、虫除けスプレーなどの忌避剤を使用することや殺虫剤などにより蚊を駆除することに加え、長袖・長ズボンを着用するなど、蚊に刺されないようにすることが大切です。特に、海外の流行地域(主に熱帯・亜熱帯地域)に渡航される方はお気を付けください。
海外の流行地域や、代々木公園周辺等で蚊に刺されて高熱等の症状が出た場合には、お早めに医療機関等を受診してください。
参考:厚生労働省のホームページ
デング熱に関するお問い合わせは下記で受け付けています。
機関名 |
感染症に関するお問い合わせ先 |
---|---|
健康福祉部疾病対策課 | 感染症対策班(054-221-2986) |
賀茂保健所 | 地域医療課(0558-24-2052) |
熱海保健所 | 医療健康課(0557-82-9126) |
東部保健所 | 地域医療課(055-920-2109) |
御殿場保健所 | 医療健康課(0550-82-1224) |
富士保健所 | 医療健康課(0545-65-2156) |
中部保健所 | 地域医療課(054-644-9273) |
西部保健所 | 地域医療課(0538-37-2253) |
静岡市保健所 | 保健予防課(054-249-3172) |
浜松市保健所 | 保健予防課(053-453-6118) |
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このページに関するお問い合わせ
健康福祉部医療局感染症対策課
〒411-0801 静岡県三島市谷田2276
電話番号:055-928-7220
ファクス番号:055-928-7100