第23回伊豆文学賞入賞作品決定
文学のふるさと伊豆・東部をはじめ静岡県内を題材とする文学作品を公募した第23回伊豆文学賞の入賞作品が次のとおり決定しました。
表彰式は、3月8日(日曜)に沼津市のプラサヴェルデで「伊豆文学フェスティバル」として開催します。表彰式の後には、「伊豆文学塾」をあわせて行います。(「伊豆文学フェスティバル」の詳細は次のリンクをご覧ください)
1 審査結果
入賞作品のあらすじは「7 入賞作品のあらすじ」のリンクをご覧ください。
(1)小説・随筆・紀行文部門
賞 | 作品名 | 種別 | 氏名(筆名) | 居住地 |
---|---|---|---|---|
最優秀賞 | ナナカマドの庭(にわ) | 小説 | 鈴木(すずき) ヤスノリ | 田方郡函南町 |
優秀賞 | ボンネットバスと走(はし)った天城(あまぎ)峠(とうげ)(乗(の)り合(あ)いバスの変遷(へんせん)) | 随筆 | 多賀(たが)多津子(たづこ) | 福岡県福岡市 |
佳作 | 坦庵先生(たんあんせんせい)とパン | 小説 | 逆瀬川(さかせがわ) わたる | 兵庫県宝塚市 |
佳作 | はぐれ雁(がり) | 小説 | 戸川(とがわ)桜良(さくら) | 東京都墨田区 |
(2)メッセージ部門
賞 | 作品名 | 氏名(筆名) | 居住地 |
---|---|---|---|
最優秀賞 | 繋(つな)がらない記憶(きおく) | 濱中(はまなか)晶子(あきこ) | 東京都練馬区 |
優秀賞 | 金木犀(きんもくせい) | 天野(あまの)有美(ゆみ) | 埼玉県所沢市 |
優秀賞 | 二俣線(ふたまたせん)・天浜線(てんはません)を乗(の)り継(つ)いで | 鈴木(すずき)よし子(こ) | 浜松市中区 |
優秀賞 | 無形(むけい)の宝物(たからもの) | 宮澤(みやざわ)典子(のりこ) | 三島市 |
優秀賞 | 鹿島(かしま)の夏(なつ) | 縣(あがた)千晶(ちあき) | 浜松市北区 |
優秀賞 | 北遠州(きたえんしゅう)天空(てんくう)の里(さと) | 榎本(えのもと)政夫(まさお) | 田方郡函南町 |
特別奨励賞 | 知(し)る一歩(いっぽ) | 柿原(かきはら)綾乃(あやの) | 浜松市西区 |
2 最優秀賞受賞者のコメント
(1)小説・随筆・紀行文部門 鈴木(すずき) ヤスノリ
受賞の知らせを聞いて
新年早々の夕暮れ時、家族も待つ席で、大変ありがたい朗報をいただく機会に恵まれ、忘れえぬ一日となりました。長年温めてきた作品世界でした。富士をのぞむ駿河湾最奥の風景や古き花市場の日々が活字となり、伊豆文学の書棚に仲間入りをさせて頂くことに限りない喜びを感じています。ありがとうございました。
応募の動機、静岡県との関わり
駿河湾の最奥、海抜0mから標高3776mの高嶺に連なる風景は、幼少期から慣れ親しんだ風景ですが、眺める度ごとに新たな気づきをもたらしてくれるような気がして、作品のインスピレーションにつながりました。
作品に込めた思い
スポーツ推薦で入学したはずが、そのスポーツを失うことで挫折感を味わうことになった高校生、耕介。彼はどんな気づきを得て、新たな一歩を踏み出せるのか。今はない古き花市場での体験をベースに、伊豆文学の一作品になればという思いで書きました。
(2)メッセージ部門 濱中(はまなか) 晶子(あきこ)
受賞の知らせを聞いて
家族がいるところで、何気なく封をきりました。息が止まり、声が出ませんでした。息子が代わりに声を出して読んでくれました。
応募の動機、静岡県との関わり
単なる観光案内にならない、伊豆の紹介という一文にひかれました。両親が毎年連れていってくれました。
作品に込めた思い
家族ひとりひとりが、それぞれに持つ伊豆の思い出。いつの夏なのか、どこの海水浴場なのか全て不明だが、それぞれがまちがいなく素晴らしい伊豆の夏の海。
3 最優秀賞作品についての審査員コメント
(1)小説・随筆・紀行文部門
親からも先生からも距離を持たれている落ちこぼれのような高校生が、夏休みのアルバイトで体験した花市場に集まってくる大人たちの表面と内面と過去を知ることによって全然違う若者として二学期に向かっていく流れが、情熱的で納得できる良い作品。
(2)メッセージ部門
父の運転での伊豆旅行の中の、“弟”や“おばあちゃん”のさりげない存在感、“父が踏みつけたカニ”への気持、“ハイビスカスのついた黄色いビーチサンダル”の顛末、それらをつつみ込む“伊豆の海”などへの作者の記憶が、ポキ、ポキとした個性的な文章のはこびと、独特の色彩感によって、瑞々しく伝わってくる作品だった。
4 審査員
(1)小説・随筆・紀行文部門
三木 卓(作家、第69回芥川賞受賞・日本芸術院会員)
村松 友視(作家、第87回直木賞受賞)
嵐山 光三郎(作家、第58回読売文学賞受賞)
太田 治子(作家、第1回坪田譲治文学賞受賞)
(2)メッセージ部門
村松 友視(作家、第87回直木賞受賞)
諸田 玲子(作家、第26回新田次郎文学賞受賞)
中村 直美(株式会社交通新聞社 常務取締役 第2出版事業部長)
5 賞
(1)小説・随筆・紀行文部門
- 最優秀賞 賞金 100万円
- 優秀賞 賞金 20万円
- 佳作 賞金 5万円
(2)メッセージ部門
- 最優秀賞 賞金 5万円
- 優秀賞 賞金 1万円
6 募集結果
(1)応募総数
267編
(小説157編、随筆39編、紀行文11編、メッセージ60編)
(2)年代別応募数
年代 | 10代 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代 | 80代 | 90代 | 不詳 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
小説等 |
1 |
5 |
14 |
11 |
39 |
49 |
60 |
20 |
3 |
5 |
207 |
メッセージ |
4 |
2 |
6 |
6 |
10 |
12 |
18 |
2 |
0 |
0 |
60 |
合計 |
5 |
7 |
20 |
17 |
49 |
61 |
78 |
22 |
3 |
5 |
267 |
(3)居住地別応募数
居住地 | 静岡県 | 東京都 | 神奈川県 | 埼玉県 | 千葉県 | 愛知県 | その他 道府県 |
海外 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
小説等 |
98 |
30 |
17 |
8 |
6 |
11 |
36 |
1 |
メッセージ |
34 |
7 |
3 |
1 |
0 |
3 |
12 |
0 |
合計 |
132 |
37 |
20 |
9 |
6 |
14 |
48 |
1 |
7 入賞作品のあらすじ
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